2003年11月01日
東方妖々夢レビュー
制作者:ZUN氏のサイトはこちら
コンピューターを使ってこそ始めてゲームとなるものは何だろうか。
僕は、アクションかシューティングこそがそれだと思う。
アドヴェンチャー? 何パターンもの結果を持つ小説とも言えないだろうか。
ロールプレイング? そもそもPen And PaperがRPGの源流ではなかったか。
戦略シミュレーション? 手間がかかるとはいえ、ミニチュアウォーゲームの楽しみと如何に違うのか。
スポーツ? 実際にスポーツをやることよりも楽しいだろうか?
ゲームがコンピュータというプラットフォームに移ったのは美しい3Dグラフィックスの為だけではないはずだ。
シューティングゲームほど制作者のセンスが前面に出るものもない。
古典的RPGとは違った意味で、無意味には語らず想像の余地を広く残し、しかししっかりとストーリーを形作る。ゲーム本編の弾を避け、撃つ楽しみがそれを彩る。滝のように降り注ぐ弾幕が作る一瞬の美に魅せられる事もあるだろう。
幻想的な世界観、バランスよく要素を盛り込まれた少女達、軽妙洒脱な会話、展開に則し絶妙のタイミングで展開する演出、装飾性が高くまたそれが作品世界とマッチしている音楽、キャンディみたいに甘そうな弾の雨、絶妙に計算された難易度…… 統合的に「綺麗」な世界。
東方妖々夢は制作者・ZUN氏のセンスが存分に発揮されたシューティングゲームである。
近年ゲームセンター不況からゲーム業界は家庭用ゲーム開発に傾斜し、結果、ゲームセンター向けとされるシューティングや格闘アクションの開発は、最盛期に較べれば格段に減少している。それはリリース数から見ても明らかだ。
だが、コンピュータゲームでしか味わえない楽しみは、そのシューティングや(格闘を含む)アクションゲームの中にあるのではないだろうか。
勿論僕だってRPGやSGが嫌いなわけではない。むしろ暇に飽かして人よりも多くやっているだろう。だが、物語やキャラクターだけではない、システムも含めて統合的に魅力ある「世界観」の力を持つゲームは最近やけに少なくなっている。
そんな今だからこそ、少数派のものになってしまったジャンルを改めて見直すべきではないだろうか。
改めて言おう。
コンピューターを使ってこそ始めてゲームとなるものは何だろうか。
僕は、アクションかシューティングこそがそれだと思う。
「東方妖々夢」はそのことを僕に改めて思い知らせてくれた。
個人的指標:★★★★☆